スペシャルティコーヒー豆 AKAGAWA

心に残る強烈な思い出(1)

ブラジルアマゾン河のスコール

ブラジルジャングルの真っ只中に位置するマナウス市。 アマゾン河に沿って街はあり、アマゾン河の対岸は未到のジャングルである。 過去、ゴム景気で栄え、フランス風のオペラ座まで創られた。 現在はブラジルで唯一の無関税地域に指定されており、 海外の企業が沢山進出している。

マナウスに3日間滞在し、1日目は大型観光船で川の合流地点を見学、 時たま河イルカが顔をだし、船に近ずき、観光客を喜ばせる。 その後、歩いてジャングルツアーをしたり、 ジャングルの中の水辺でアマゾン河で穫れた大型ナマズのフライの昼食。

河の上のレストラン 河の上のレストラン

翌日、私と同行者、現地インディオのガイド(日本語を話すが、半分は良く理解出来ない)の3人で、 対岸のジャングルにピラニア釣りに出かける事になり、 さっそく港で船をチャーターするが、 河幅は4キロもあるのに、船は木の小舟にモーターエンジンが付いているだけ。 こんな船で大丈夫なの?と少し不安になるが、天気は良いし、 波もなだらかであり、不安をよそに出発する。

二つの河の水が混ざらない 二つの河の水が混ざらない

河幅は4キロもあるから、対岸のジャングルまで2時間かかるとのこと。 ところが対岸が見えてきた頃から、空が暗くなり、あっというまに暴風雨になる。 波の高さが頭の上にあり、3〜4メートルはあったと思う。 近くに岸が見えるが、近づけない。 波に向かっていないとひっくり返ってしまうから、 ものすごい揺れと頭の上からの雨と波で、 船にしっかりと捕まっているものの、ああこれがこの世の最後だと本当に思った。

10分位の時間そうゆう状態が続き、ようやくジャングルの支流を見つけて逃げ込み、助かったと思った。 大分奧まで入り、濡れた衣服を脱ぎ、絞って乾かし、やっと一息ついたら、 せっかく来たのだからと、ピラニア釣りを始める。 牛肉を付けて竿を川に入れるとすぐに引くが、なかなか釣れない。 餌の牛肉だけが無くなる。 近くでバシャバシャと音がするので見るとワニがいるではないか。 これにもビックリ。 ようやく釣れたが、今度はピラニアの歯のすごさに驚いて、 なかなか怖くて針がはずせない。 ようやくコツを覚え、7匹ほど釣ったころ暗くなり、雨もやみ、帰りに着く。

真っ暗な4キロのアマゾン河をライトも無く、 すれ違う船と衝突しないかと心配しながら、濡れた衣服を着て、寒さに震えながら河を渡り、 ようやく遙か向こうにマナウスの街の明かりが見えたとき、 文明とはこんなにも良いものだとつくづく思った。

マシンガンを持ったボデイガード

1988年、グアテマラを訪問した時、当時グアテマラはテロやゲリラの活動が頻繁にあり、 同国の日本大使館からグアテマラ市内から地方へは余り出ない様に、 出る場合は暗くならない内に帰る事、特に山越えは盗賊が出るなど治安が非常に悪い。

しかし、我々はコーヒーの視察に来たのであり、 地方や山のなかに入らない訳にはいかない。 ある業者のコーヒー精選工場を視察するため、 業者の社長がベンツで現れる。 運転手の他に2名の身体のガッチリした、屈強そうな男の手にはマシンガン、腰には2丁の拳銃があるではないか。 これこそ洋画で見たギャングの世界である。

グアテマラ市内から2時間の地方へ行くために社長が雇ったボディガードである。 話しを聞くと、彼らはアメリカで本格的な護衛に関する訓練を受けており、 途中休憩時には彼等2人が先におり、車の両側をはさむ様にし、 マシンガンを車と反対側に向け、社長以下我々も降りる。

また、工場に着いてからも我々が説明を聞きながら視察中のあいだ、 我々をはさんで2人のボデイガードはマシンガンを向けて一時も遠方から目をはなさない。 襲撃されるときは遠方から狙われるので、遠くを監視している。

自分がVIPになったような気分にさせられた1日であったが、 後で商社の駐在員に聞いた話しによると、あれは我々を護衛したのではなく、 社長自身を守る事が目的であった。

南海の海の水族館

インドネシア、ジャカルタから高速艇で約2時間、プロウ・スリブ(千の小島群)と言う、 ジャカルタ湾の北方に浮かぶ、大小200島前後の島々がある。 人が住んでいるのは10島ほどで、ホテルがあり、リゾートアイランドとなっているのは4島である。

私はブロウ・ブランギ島に行く。島は周囲1キロくらいで、幅300メートルくらいの大きさで、 宿泊は全てバンガローのみ。 海に沿って建っており、それぞれがプライベートビーチを持っている。

無垢な自然と明るい光に包み込まれ、数歩あるくと珊瑚の海、南海に浮かぶパラダイスである。 ここにあるのは、快適なコテージとあくまでも青い海だけである。

小舟で島から1キロくらいのところで釣りをする。 竿はなく、餌をつけた糸を手で持って、ゆっくりと糸を上下に振りながら、 魚がかかったと感じたら糸をあげる。 一匹も釣れず帰ろうとすると、モーターの故障で船は動かない。 結局、他の船に引かれて、ようやく島に帰る。

今度はシュノーケリングに挑戦。 高速艇の着く桟橋に、タオルやシャツを置き、メガネと足ヒレをつけ海にドボーンと入ると、そこは珊瑚礁。 少し先は相当深く、底が見えない。 潜ってみると中はまるで水族館。 トロピカル・フィッシュが乱舞している。 手をだすと寄って来て、目の前で泳ぐ。 綺麗な色をした沢山の南海魚と戯れた事は、忘れられないひとときでした。

記:2003年10月

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