スペシャルティコーヒー豆 AKAGAWA スペシャルティコーヒー豆の店AKAGAWA

Akagawa
スペシャルティコーヒー豆の店

千葉県山武市成東1808-1
 MEGAドン・キホーテ ラパーク成東店1F

営業時間:10:00〜20:00 (平日・土曜日)

09:00〜20:00 (日曜日)

コーヒーの焙煎

コーヒーの焙煎とは、
その豆の個性を最大限に引き出す事である。

コーヒー人生

2002年9月にコーヒー会社を退職した時は52歳でした。 これからの人生を色々と考えると、全ての思考がコーヒーを中心に回り、 31年間のコーヒー人生が身体に染み込み、 どうしてもコーヒーから逃れられないことを悟りました。 コーヒーを焙煎し、販売することを決意しました。

20年前の勘を取り戻す

コーヒー会社に在職中、工場に勤務してコーヒーを焙煎した経験は10年くらいありますが、 それから20年が経ち、焙煎に少し不安があり、ホームセンターで手製の網焼き器を買い、焙煎の勘を取り戻しました。

人に助けられて

さて、本格的にコーヒーを焙煎して販売するとなると、手製の網焼き器とはいかず、焙煎機が必要となります。 ところが、この焙煎機が相当高価で予算がなく、思案していると、四国の鳴門市でコーヒー豆を販売している友人が、 国産の焙煎機3kg用を貸しても良い、との連絡を貰いました。 過去に、この友人にはドイツ製の焙煎機を販売した経緯があり、国産の焙煎機が使われていなかったのです。

二度も人に助けられる

順調に焙煎し、販売も軌道に乗り、2年が経った頃、友人から焙煎機を返して欲しい旨の連絡がきました。 独立して最初の窮地に立たされました。 自分の知る限りの知人に連絡して、中古の焙煎機探しを始めましたが、良い返事が見つかりませんでした。 そこで自分の過去の仕事を呼び起こしてみると、数台の焙煎機を販売したことがありました。 15年くらい前に販売した長野のお客さんは、確かその当時すでに相当ご高齢だった、という記憶が蘇りました。 恐る恐る先方に電話をかけて、退職とご無沙汰の非礼を詫び、その後の様子を尋ねると、 応対に出た奥様が「主人はもう身体の自由も難しく、商売は辞め、焙煎機は使っていない」ことがわかり、 早速譲ってくれるようにお願いをしました。 「赤川さんがそう言うのなら」と、快く了解をいただき、焙煎機の引き取り時には、 「在庫のコーヒー生豆も全部持って帰ってよ」との言葉に甘えました。

コーヒー豆 譲っていただいた、現在稼動中の焙煎機(フジローヤルR-103型)。

コーヒーの焙煎とは

コーヒーの焙煎は、誰がやっても、どんな機材を使っても、黒っぽくなるまで焼けばコーヒーらしい味にはなります。 そこまでは趣味の範疇としては難しくはありません。 何をもって自店の存在意義、他店との差別化を図るかが、商売としての醍醐味であり、難しさがあります。

商売としての焙煎

商売としてのコーヒー焙煎は、自分がどんな店にしたいのか、どんなコーヒーを売りたいのか、 というポリシーをしっかりと確立することです。 コーヒーの挽き売りを繁盛させるのは至難の技です。 なぜなら、スーパー、コンビニ、ディスカウント店、通販など、コーヒーはどこにでも山盛りで格安販売されているからです。 売れないと直ぐに売出しをやったり、コーヒー問屋の言いなりの原料豆を買ったり、最安値の原料豆探しに走っているのです。 成功の秘訣は、自分のポリシーに従い、地域一番店になることであり、 そのためには、極めて美味しいとお客様が認めるコーヒーを作ることです。

美味しいコーヒーの3要素

1.原料コーヒー豆

コーヒー名は一般にブラジル、コロンビア、グアテマラなどのように国名で呼ばれています。 したがって、消費者の皆さんは、「私はコロンビアが好き」とか、「グアテマラが私の好み」などと、 名前が同じなら味も同じ、と思っているような気がします。 しかしながら、日本のお米で考えてみれば解かるように、 ひとくちに日本米と言っても、県別、産地、品種が違えば、味も風味も全く違うことはご理解いただけると思います。

コーヒー豆 原料であるコーヒー生豆。色、形、大きさ、硬さなど、産地が違えば全て異なる。

例えばコロンビアコーヒーひとつ取ってみても、産地の標高や農園の生産方法で味に大きな差ができます。 そういう世界中のコーヒー生産国とその国の色々な産地から、自分が納得できる良い品質のコーヒーを選ぶことは至難の技です。 しかしまた、それが一番大事なことであり、コーヒー挽売り店の原点なのです。

2.コーヒーの焙煎

どんなに素晴らしい品質のコーヒーでも、その豆の個性を生かすも殺すも焙煎次第です。 コーヒーは焙煎しなければ何の使い道もない、ただの豆です。 焙煎によって最大限に素晴らしい個性を引き出してこそ、美味しいコーヒーが誕生します。 そのただの豆を美味しいコーヒーに変身させることが、焙煎の技術であり、技です。

コーヒー豆 焙煎完了直前、豆の状態をチェックする筆者。

3.コーヒーは生鮮食品

どんなに素晴らしい品質の原料豆を美味しく焙煎しても、焙煎してから長時間経過したコーヒーでは全く意味を成しません。 コーヒーは焙煎直後から48時間くらいかけて炭酸ガスが放出されます。 その時に一番濃厚な香りが感じられます。 その後、味が落ち着き、抽出時に濃厚な香りと粉の膨らみが発生し、コーヒーの一番美味しい時期です。 それも一週間くらいで終わりです。 コーヒーの青春は短く、その後、急激に老化していきます。 したがって、焙煎したてのコーヒーを10日で飲み切る量を買うことを(粉で買う場合は)お勧めします。

コーヒー豆 焙煎後、すばやく攪拌冷却。

以上の3つがコーヒーを焙煎して販売する上での原則であり、 その上で、コーヒー原料を見分ける技術、焙煎技術、鮮度管理など、技術的なことは述べませんが、 コーヒーは機械を使って作るものではなく、自らの頭の中で想像し、創るものです。 それらの基本が味覚であり、味を知り、より想像し、創り上げるのが焙煎です。

焙煎は舌で煎る

コーヒー豆 その日の気温、湿度、原料豆の状態などでその豆に最適な焙煎度合いは異なる。 神経を集中し、焙煎完了の瞬間を判断する。


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